大河ドラマ 

倫子と紫式部の関係は?

Miyako

 大河では親しく交流している倫子と紫式部が、道長との結婚を巡って微妙な関係に変わるようですが、倫子は紫式部と道長の関係を知ることになるのでしょうか。

『紫式部日記』には、二人の関係を記す場面が一つあります。9月9日の重陽の節句では、菊の花に綿をかぶせて夜露をしみこませ、それで身体を拭いて長寿を祈る風習がありました。ある時、倫子から紫式部に特別に菊の着せ綿が送られ、これで老いを十分に拭い去りなさいませと言づてがあったので、紫式部は次の歌を詠みました。

 菊の露若ゆばかりに袖触れて花のあるじに千代は譲らむ(特別にいただいた菊の露に私は少し若返るくらい袖を触れるだけにして、後は奥様が千年も若返ってくださるようお譲りします)

 倫子は紫式部のために特別な贈り物をして、紫式部もその気持ちを受け取って倫子の長寿をこそ祈る。二人が互いを思いやる気持ちが溢れたやり取りですが、これを裏読みすることもできなくはありません。

 この時、倫子は45歳くらいで紫式部より10歳程年上だったので、紫式部は私よりあなたの老いを拭った方がいいのでは、と嫌味を返したという読み方です。結局、この歌は倫子に返されなかったのですが、もし、二人の間に道長を巡る対立があったとしたら、そんな読み方も可能になるかもしれません。

 この先、倫子は娘たちを何人も産んで道長政権を支える大きな役割を果たします。大河でも紫式部とは異なる形で道長にとって重要な女性となっていくので、今後の活躍と同時に紫式部との関係にも注視したいですね。

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平安文学と出会ってその世界に魅了され、読み続けています。1000年前に確かに生きていた人の息遣いを感じると心が震えます。自然や人を深く愛した日本文化を大切に、そして一緒に楽しみましょう!
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