えとせとら

まひろと宣孝の夫婦喧嘩~古典オマージュ見つけた!

Miyako

久しぶりに大河についてコメントします。

先週、まひろと藤原宣孝の結婚生活がスタートしましたね。まひろも予想し覚悟していたはずですが、宣孝の女性関係に早くも悩み、夫婦喧嘩が勃発。その中に古典文学のオマージュを見つけました。

一つは、怒ったまひろが宣孝に灰をぶつけるシーン。

こちら、『源氏物語』真木柱巻で、玉鬘のもとに出かけようとする髭黒に対して、北の方が灰を浴びせかける場面のオマージュですね。

彼女は性格のきつい女性に描かれていますが、平安女性も夫に対して自分の感情をぶつけることもあるんだと思った場面です。物語では物の怪が取り憑いた狂気の振舞いとされているようですが。

もう一つは、まひろが宣孝に出した手紙を宣孝が他の女性に見せたところです。いろいろな人に見せまくって、頭のいい妻を自慢したということでしたね。こちらはオマージュというより紫式部自身の残した歌集に基づく再構成です。

実際に宣孝が紫式部の手紙を他の人に見せた時の、二人の和歌のやり取りが『紫式部集』に残っています。紫式部がこれまで出した手紙をすべて返却してほしいと言ったので、宣孝も腹を立て、その後、何通もの和歌のやり取りをしたこと。それがドラマで再現されていました。

手紙を人に見せたことで言い合う場面は、『枕草子』にも、清少納言と藤原行成のやり取りの中に描かれています。こちらは宮中女房と官人の話で、夫婦間の間柄とは異なりますが、紫式部とは全く異なる対応をするのが清少納言です。

行成が「あなたの手紙を殿上人全員に見せた」と言ったのに対して、清少納言が「それはありがとう。素晴らしい歌が人に知られないのは残念だから。反対に下手な歌が知られないように、あなたの手紙は誰にも見せてませんわ」と答え、行成が面白がったということです。

現代では、贈った手紙を人に見せるなんて絶対許せないですよね。 

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平安文学と出会ってその世界に魅了され、読み続けています。1000年前に確かに生きていた人の息遣いを感じると心が震えます。自然や人を深く愛した日本文化を大切に、そして一緒に楽しみましょう!
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