中宮定子~カリスマギャル説
Miyako
今回はいよいよ定子について書きますね。中関白道隆の長女として生まれ、一条天皇の中宮となり、清少納言をはじめ多くの女房たちと華やかな文化サロンを作り上げた人。
私の知り合いから彼女の悪口を聞いたことがありません。それは『枕草子』で清少納言が褒めたたえたことに加え、中関白家没落後の彼女の悲劇的な運命を悼むからだと思います。
大河でも父道隆が病に倒れ、これから定子の身に様々なことが起こるので、おそらく辛い状況になっていきますが、ここで改めて定子の人物像について提案したいと思います。
『枕草子』に描かれた定子は、新しいもの好きで、思いついたアイディアをすぐに実行して周囲を驚かせることが得意な人です。たとえば、先週の大河で見た香炉峰の雪の話。それから、雪山作りは時と場所は違いますが、もっと大きな雪山を作って、いつ消えるかの賭けをしました。
定子の大好きな衣装の色は紅梅色といって、当時はまだ目新しいピンク色です。ある行事の時、彼女と一族の女性、女房たち全員が紅梅色の衣裳で登場したのですが、それは定子が指示した趣向だったに違いありません。五節の舞姫を選出した時には、お付きの女房や少女たち全員に舞姫と同じ衣裳を着用させ、宮中を驚かせた人ですから。
定子はいわば当時のファッションリーダーで、ピンク好きなことから、私は定子カリスマギャル説を提案したいと思います。カリスマなので、世間の注目と支持を一身に集め、最後まで自分を見失わずに生き抜きます。悲愴な運命に屈した可哀そうな人とは思いたくないのです。
※ギャル【gal】女の子。若い女性。特に、明るく社交的で、流行のファッションを取り入れるなどの行動を通じ、感覚を共有しようとする女性についていう。(デジタル大辞泉:小学館)
ABOUT ME