源氏物語~紫式部からのメッセージ③
Mariho
垣間見~女三宮 「若菜上」第三十四帖
光源氏の正妻である女三の宮の登場の場面、蹴鞠に興じる柏木の前に、御簾の中から可愛い子猫が飛び出してきます。めくれ上がった御簾の奥に、たたずむ細長を着た小柄な女性。
その人こそが女三宮。以来、柏木は女三宮に恋焦がれます。飛び出してくる子猫が二人の運命を狂わせる、その名場面を作品にしました。
【釈文】
猫はまだよく人にもなつかぬにや、綱いと長くつきたりけるを、几帳の際すこし入りたるほどに袿姿にてたちたまへるひとあり・・・ 「若菜上の巻」より
恋ひわぶる人のかたみと手ならせば、なれよ何とてなく音なるらむ
「あはれとだにのたまはせば、それを承りてまかでなむ」
「起きてゆく 空も知られぬ 明けぐれに いづくの露の かかる袖あり」(柏木)
「あけぐれの 空にうき身は 消えななん 夢なりけりと 見てもやむべく」(女三宮) 「若菜下の巻」より
ABOUT ME