源氏物語~紫式部からのメッセージ⑨
Mariho
薫と匂宮と浮舟 「蜻蛉」 第五十二帖 「手習」 第五十三帖
二人の間の板挟みに苦しむ浮舟はついに宇治川に身を投げます。行方知れずとなった浮舟。亡骸も見つからないまま葬儀が営まれます。薫は、夕暮れに飛ぶ儚い蜻蛉に宇治の姫君たちを重ね、追悼します。
一方、浮舟は横川の僧都に助けられ、小野に連れ帰られて、僧都の妹である尼君に世話をされます。尼の亡き娘婿に求愛される浮舟は僧都に懇願して出家をします。
浮舟の覚悟に満ちた潔ささえ感じる歌に対し、薫と匂宮は浮舟のことよりライバル相手の心を探り合うような歌。浮舟のことを本当に思っているのでしょうか…。
【釈文】「身をなげし 涙の川の はやき瀬を 柵かけて 誰かとどめし」 浮舟「忍び音や 君もなくらむ かひもなき 死出の田長に 心かよはば」 薫 「橘の かをるあたりは ほととぎす こころしてこそ なくべかりけれ」 匂宮
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