紙について〜明るさ
Mariho
光る君へでは、美しい紙にサラサラと、つづけ書(連綿といいます)をしている場面が出てきます。
今日は紙の展示にふさわしい明るさについて、お話ししましょう。

かな作品を書く時に使われる紙を料紙といいます。
紙は中国から伝わり平安時代には、様々な種類がありました。麻紙や、楮紙、陸奥紙と素材により性質も違い、紫式部の時代には、草木染めの色紙もありました。もう少し時代が進むと、さらに紙に装飾がされるようになります。
金や銀、型刷りなど、現代でもかな作品のためのお料紙は多種多様です。着物を選ぶかのように美しい色や、金銀のお料紙を選ぶことは、大きな楽しみです。
写真の軸は、源氏物語の少女の巻より紫の上と秋好中宮の春秋の争いを作品にしたものです。
金や銀が贅沢に撒かれている料紙です。
あえて暗いスペースに展示しました。
展覧会場の明かりでは、ハレーションをおこして、金銀の美しさがわかりません。
こうした暗さで見て、初めて金銀の輝きが増し、料紙の柄が引き立ちます。
お料紙には、現代の照明ではなく、平安時代の自然光や、灯火の明るさがマッチしているのですね。美術品を鑑賞する時の光の重要さに気付かされます。
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