紫式部にとっての書くということ
Mariho
光る君のドラマの中でも、紫式部が、『書くということ』へ思いを巡らす場面が度々出てきます。『源氏物語』を生む紫式部の『書くということ』への考えを探ることは、紫式部の美意識の根源に迫ることではないでしょうか。源氏物語『梅枝』の中に紫式部のかな文字への思いが書かれています。「よろづのこと、昔には劣りざまに、浅くなりゆく世の末なれど、仮名のみなむ、今の世はいと際なくなりたる。 」(すべての事が、昔に比べて劣って、浅くなって行く末世だが、仮名だけは、現代は際限もなく発達したものだ。)美意識の高い紫式部が認めた紫式部時代の仮名。残念ながら確実なものは残っておりません。しかし紫式部時代より後にはなりますが、平安時代のかな書道の名品が数々残っています。源氏物語の登場人物の筆跡の記述から、数々の平安時代古筆を手がかりに、姫君達の筆跡をこれから探っていきたいと思います。
ABOUT ME