えとせとら

大和撫子、咲きました!

Miyako

古典文学に登場するナデシコの花には唐撫子と大和撫子があります。唐撫子は別名を石竹(セキチク)といって、古代中国から日本に伝来したものです。今でも花屋さんに鉢植えで売っていることがありますが、大和撫子は日本自生の野草で、街中では全く見ることが出来ません。

そんな大和撫子の実物を見たくて、野草を扱っている店をネット検索して苗を購入し、庭に植えてみました。栽培方法を確認すると、とても強い植物なので、地植えすれば、ほぼ放っておいても大丈夫とか…。

大和撫子のイメージとは反対なようで驚いたけれど、しなやかで優しく見えて逞しい日本古来の女性のイメージと合うようにも思えました。

さて、植え付けたのが4月で、開花は夏の終わり頃かなと考えていたところ、なんと数日前に開いた花を見つけました! 

優しいピンク色で、1つ1つの花びらが糸を束ねたように繊細なかたちです。蕾がまだたくさんあるので、これから次々と花開くと思いますが、これが群生した野原はなかなか見事なものでしょう。

『枕草子』に、絵に描くと実物より見劣りするものとして挙げられているのも肯けます。一方、唐撫子は花びらの形が全く異なり、花全体のイメージも随分変わります。こちらはネットの無料写真から。

比べてみると、唐撫子は可愛い女の子で、大和撫子の方がお姉さんという感じもしますね。最後に撫子の和歌を二首。

わが宿の撫子の花咲きにけり手折りて人に見せん子もがも(万葉集・家持)

いづこにも咲きはすらめど我宿の大和撫子誰に見せまし(拾遺集・伊勢)

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平安文学と出会ってその世界に魅了され、読み続けています。1000年前に確かに生きていた人の息遣いを感じると心が震えます。自然や人を深く愛した日本文化を大切に、そして一緒に楽しみましょう!
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