えとせとら

夕顔、咲きました!

Miyako

『源氏物語』の夕顔巻に登場する花の実物が見たくて種から植えてみたところ、ついに咲きました! 物語では光源氏が見た夕顔の花が次のように書かれています。

切懸(きりかけ)だつ物に、いと青やかなる葛(かづら)の心地よげに這ひかかれるに、白き花ぞ、おのれ独り笑みの眉ひろげたる。

(横板を重ねた板塀に、とても青々としたつる草が気持ちよさそうに這いかかっている、そこに白い花が一人で微笑むように咲き誇っている。)

葉も茎もたくましいつる草で、ぐんぐん伸びるわりに花は小さく、全開しても直径5センチくらいです。萎んで枯れた花の根本には、小さな実がついています。

白く透明感のあるフリルがついたような花は可愛らしい感じです。花のつぼみを見つけたのが夕方5時頃で、それから徐々に花開き、暗くなる直前の7時頃にこんな感じでした。翌朝にはもう萎んでいるので、はかない命の花です。

そんな花の開花時間を当てはめると、夕顔の花が載った扇を光源氏が贈られた場面は夏の日暮れ時だったということになるでしょうか。

ところで夕顔はウリ科の植物で、かんぴょうになる実が付きますが、よく混同されているのが、朝顔と同じヒルガオ科の夜顔です。それがこちら…

夜顔は明治時代に観賞用として日本に入って来たということで、平安時代には日本にありませんでした。こちらも夜に咲いて朝には萎むそうですが、花はかなり大きく、夕顔とはたいぶイメージが異なりますね。

実をいうと、こちらの種を先に間違えて買ってしまいました。今年は植えていないので、この画像はネットのフリー素材のものです。来年植えてみようかと思います。

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平安文学と出会ってその世界に魅了され、読み続けています。1000年前に確かに生きていた人の息遣いを感じると心が震えます。自然や人を深く愛した日本文化を大切に、そして一緒に楽しみましょう!
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