推しの扉

ダークヒーロー道兼

Miyako

大河では第1話からダークな役柄で登場し、前回でも花山院をまんまと欺いた藤原道兼について、少し書いてみます。アンチ推し人物ですが。

彼の容貌や性格について、『栄花物語』では、顔色が悪く毛深く、とても醜かったが、気性は老成していて男らしく、何となく恐ろしく感じられるくらい意地が悪いとあります。現代風に言うと、強面の怖いお兄さんというところでしょうか。

また、兄道隆に意見したり、父が関白職を自分に譲らなかったので、父の葬儀に出なかったりと、歴史物語で描かれた彼はかなりの曲者のようです。でも、『大鏡』に面白い記事を一つ見つけました。

道兼の長男が大変な駄々っ子で、兼家の60歳の祝いの席で舞を披露することになったのですが、舞台に上がった途端に舞わないと言い出し、結った髪を引きむしり装束を破り出しました。その時、道隆が舞台に上がって甥の手を取り無理やり一緒に舞わせてその場を収めたという話です。

ここでは道隆の機転と人間性が際立ちますが、道兼は自分の息子にはなすすべがなく青くなっていたということで、子供には甘い父親だったのかもと思ったりします。この子はその後、蛇を苛めた祟りで亡くなったと書かれていますが、別の息子は後に、なんと紫式部の娘と関係を持つことになります。

それって、大河的にどうなの?と思いますよね。でも、彼女は道兼の息子の子を産んだおかげで、その時、ちょうど生まれたばかりの後冷泉天皇の乳母として大出世するのです! これはなかなかすごいと思いませんか?

道兼を離れて、だいぶ時代を先に進みすぎましたので、この辺で。

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平安文学と出会ってその世界に魅了され、読み続けています。1000年前に確かに生きていた人の息遣いを感じると心が震えます。自然や人を深く愛した日本文化を大切に、そして一緒に楽しみましょう!
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