大河ドラマ 

中宮彰子の女房たちpart1~『紫式部日記』より

Miyako

大河ではついに藤式部が誕生し、彰子後宮の女房たちも登場してきましたね。『紫式部日記』で、和泉式部、赤染衛門、清少納言のことを書いた三才女論は有名ですが、その前の記事には同僚女房たちについても書いています。紫式部は男性より女性、特に美しい人を好んで観察していたようです。

ドラマで登場していた女房たちは8人で、最初のテロップに名前が挙がっていたのは6人でした。『紫式部日記』に登場する女房たちはもっと多くて、ドラマと全く同じではないのですが、6人について日記に書いてあることを紹介しましょう。

宮の宣旨はドラマでは女房たちを統括するリーダーのようでした。でも、『紫式部日記』には、同じ呼称の女房が登場しません。そのかわり、「宣旨の君」と「宮の内侍」が記されていますので、女房名としては二人を合わせたのでしょうか。どちらも威厳があって堂々としているところはドラマと合っています。

女房評の中で最も高評価の人物が宰相の君です。日記では、ふっくらとして、端正で利発そうな顔立ちの人。見慣れていくにつれて、どんどん印象が良くなり、口元には高貴さも艶っぽさもある。起ち居振舞いは実に華やかで、性格もとても感じがよく、可愛らしく、上品さも備わっている、と書かれています。

紫式部に好意的に接してくれたのが姉妹の女房たちです。姉の大納言の君は、どちらかというと小柄な方だが、色白で可愛らしく、丸くふくよかで、一見すると背が高く見える。髪は身長より三寸ほど長く、毛先や生え際の感じなど、すべて比べようがないほどすばらしい。顔立ちもとても上品で物腰など可愛げがあると書かれています。

妹の小少将の君は、上品で優雅な感じで、春二月の枝垂れ柳のような風情。とても可愛らしく、物腰は奥ゆかしく、気立ては控えめすぎて人付き合いをひどく恥ずかしがり、見ていられないほど子供っぽい。いじわるされたり悪口を言われたらそのまま亡くなってしまいそうなくらいか弱い所があるのが気にかかると書いています。

そんな彼女が心配だったからか、紫式部が最も親しくしていた人でしたが、残念ながら早逝してしまいます。

後の二人、左衛門の内侍と馬中将の君は、ここの女房たちの紹介場面には登場しません。どちらも紫式部を良く思っていない女房として、別のエピソードが語られているので、それは次回で紹介しましょう。

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平安文学と出会ってその世界に魅了され、読み続けています。1000年前に確かに生きていた人の息遣いを感じると心が震えます。自然や人を深く愛した日本文化を大切に、そして一緒に楽しみましょう!
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